ーまずはまりりんさんからいきましょう!簡単な自己紹介と、現在行われている活動について教えて下さい。
まりりん「上智大学1年、SPH第8期生まりりんと申します。現在、SPHの広報部広報係長として、イベント情報や活動報告など、外部向け情報をTwitterやブログで発信したり、今回のインタビューのような渉外活動を幅広く行っています。」
ー広報部というものがあるのですね!
まりりん「はい!SPHは運営部とダンス部の2部体制で運営をしていて、それぞれに広報部が存在していて、前者はマーケティングなど戦略的な部分を担い、後者がそれを実行に移して行く、といった役割分担で活動しています。」
ーなるほど~。では、SPHに入ったきっかけを教えてもらってもいいですか?
まりりん「去年の9月に上智大学に入学したのですが、ダンスをやりたくて、いくつかダンスサークルを見ていました。で、私元々アニメがすごい好きで、スクールアイドルに漠然とした憧れがあったんです。それでアイドルダンスをメインでやっているSPHに入ることにしました。」
ー9月入学ということは、あれですよね?
まりりん「はい、元々アメリカで6年間生活をしていたので、帰国子女という形で入学しました。」
ー帰国子女とは…!(かっこいい…)入ってからUNIDOLまで、あまり時間がない中での活動だったと思いますが、どんな活動をされていたのですか?
まりりん「毎週月曜に行われるMTGと、振り入れ、筋トレをしてダンスの練習をひたすらしていました。また、現在はSPHのダンス部広報係として、イベント情報の発信や、今回のようなインタビューを引き受けるようなお仕事をしています。」
ー結構やる事多いんですね!
まりりん「そうですね、自分の想像以上に活動的で、最初は辛くて辞めようとずっと思ってました(笑)」
ーなんと…!
まりりん「もちろん今は辞めたいとは思ってないですよ!」
ーそれを聞いて安心しました(笑)今みたいに前向きになれたのは、何かきっかけがあったのですか?
まりりん「やはり、UNIDOLという大きな舞台を経験できたことがすごく大きかったですね。本番直前の独特な緊張感だったり、パフォーマンスが終わったあとの達成感は、なににも代え難い経験で。今までの苦労が報われる感動をみんなで共有できたとき、『ああ、これで辞めるのはもったいないな』って。(笑)」
ーやはりUNIDOLでの経験が大きな要因になっていたのですね!多分今まで色んな経験されてきたと思うのですが、SPHに入って良かったなと思える事って他になにがありましたか?
まりりん「んー、私はまだまだ未熟ですが、成長できる機会がたくさんあることですね。SPHは広報活動や渉外活動を自分たちで行っているので、ビジネスメールの送り方から、マーケティング分析、Adobeのソフトを使った制作活動まで、幅広い知識とスキルがメンバーに要求される環境にあるんです。最初はわからないことだらけで大変なこともありますが、それを実践しながら学ぶ環境がSPHにはあるので、入学前と比べるとすごく成長したなと思います。大学の授業だけでは経験できないようなこともたくさん出来ているので、SPHに入ってよかったなと思います。」
ー大学生の内に企業や他団体に向けて渉外活動だったり広報をする機会って、普通に授業を受けているだけでは中々経験出来ないことですもんね!
ーではここで一旦、はらちゃんさんにマイクを向けますね。
はらちゃん「はい、よろしくお願いします。」
ーはらちゃんは現在どのような活動をされているのですか?
はらちゃん「今年の4月で大学は卒業して社会人になるのですが、現在はSPHの1期生としてダンス部の広報を担っています。また、2013年度UNIDOLの実行委員長をしていました。」
ーなんと!1期生メンバーでUNIDOLの実行委員長さんだったんですね!ちょっとどこから聞いたらいいかわからないのですが、とりあえずSPHに入ったきっかけをお伺いしてもいいですか?
はらちゃん「そうですね、そもそもSPHは創設者の方が文化祭でアイドルカフェを出店することがきっかけで始まった団体なんですね。それで、メンバー集めをする際にオーディションが行われたのですが、元々私がダンスをやっていたこともあって、SPHに興味を持って、オーディションを受けたんです。」
ーオーディションとかあったんですか!すげえ!
はらちゃん「はい、でも現在はオーディションは廃止していて。多分そこが商業的なアイドルとアイドルサークルの大きな違いだと思うんですけど、誰でもアイドルパフォーマンスを出来る場として、可能性を広げるという意味でオーディション制は撤廃しました。」
ーなるほど~、ちなみに団体立ち上げ当初はどのような活動をされていたのですか?
はらちゃん「最初はアイドルカフェというプロジェクト型のチームとしてつくられたので、これからアイドルサークルとして活動して行く為に、組織体制をしっかりと固める事からみんなで議論しました。SPHのビジョンを掲げて、それを達成する為の目標を明文化する作業を行う事で、メンバーが目指す方向を一つにすることからスタートしましたね。」
ー駆け出しの段階から綿密な計画のもと活動されていたんですね!
はらちゃん「でも、アイドルサークルとして活動し始めてすぐに、大きな中傷事件が起きてしまったんです。」
ー中傷事件!!?
はらちゃん「当時、アイドルサークルというものが世間であまり認知されていなかったんですね。だから、あんまりSPHに対するいい印象がなくて、ネット上でたくさんバッシングを受けましたし、SPHを辞めてしまったメンバーもいました。」
ーかなり強烈な出来事ですね…。今の僕からみたSPHさんの印象とはだいぶかけ離れた状況なのですが、そこからどうやって現在のSPHさんのブランドを確立していったのですか?
はらちゃん「存在そのものを否定されてしまって、正直すごく悲しかったですね。『上智にSPHは必要ないんだ』という状態から、SPHを世間に認めてもらうためには、ひとつひとつのパフォーマンスを一生懸命やることで信頼を勝ち取って行くしかなかったんですね。そこから自分たちで企業や外部イベントに営業をかけていって、どんな小さな案件でも自分たちが出来る最大限のパフォーマンスをして、小さな信頼を一つずつ積み重ねていきました。今では『SPHさんならお願いしても大丈夫だ』という信頼を企業の方からも頂けるようになりましたし、多くの方からSPHという存在を認めてもらえるようになって、現在のSPHのブランドを確立できたのだと思います。」
ーそんな下積み時代があったのですね!今のSPHさんからは想像できないお話でした。多分、これ以上ない苦労話だったとは思うのですが、ほかにSPHで大変だったことってありますか?
はらちゃん「欧米的な価値観の子と日本的な価値観の子の意見がぶつかり合うときが、SPHにおいて一番大変なことだったなと思いますね。」
ーほうほう
はらちゃん「SPHは帰国子女や海外留学生が純日本人学生と混在しているチームなんですね。だから、価値観を形成してきた環境がそもそも異なるので、対立というか、普段の振る舞いに大きな違いが出てきますね。」
ーたとえばどんなときにそれが出ちゃうんですか?
はらちゃん「例えば、人と話す時でしょうか。日本の子だと、人の話は目を見て体を向けて聞くべきって思ってる子が多いと思います。必要最低限以上のホスピタリティが大事ですよね。一方で、欧米系の子は「話を聞いていること」が大事で、聞いているふりだけして理解していなかったら意味がないと考える子もいます。「聞き方」よりも「結果」が大事と言うか。そっちが悪いとか良いとかの話ではないので、サークル内ではお互い尊重してすり合わせていけばいいんですが、お客さんやお世話になっている方々がそういった価値の違いを把握しているわけではないので、誤解を受けることもありました。なので、そういった場合は『今、目の前の人に求められていることは何なのか』を基準にして折り合いをつけていきましたね。でも、メンバーが信じている価値観を否定することはその子の育ってきた環境を否定するようなものですから、悩んだ子も多かったと思いますね。」
ーなるほど~、海外をバックグラウンドに持つSPHさんならでは、ですね。非常に興味深かったです。ちょっと話のテーマを変えますね。創設の段階で、強い理念や想いを持って活動されてるサークルって、ちょうど初代のメンバーが抜ける3、4年目くらいが、創設時の想いを引き継ぐ節目ということもあって、団体として一番大変な時期なのかなって思うんですけど、これからのSPHで心配な点ってありますか?
はらちゃん「元々国際色が強い団体なので、”誰もが平等である”というイクオリティという”価値=考え方”をすごく大事にしているんですね。だからSPHには、先輩という概念がなくて、先輩に後輩が教えてあげるという文化がないんです。だから1年生でも受け身のスタンスではなく、自ら積極的に勉強して、行動を起こして行く、そして自分の行動に責任を持つ、そういったカルチャーで今までやってきたのですが、今年は日本的価値観のメンバーが多いこともあってか、イクオリティという考え方があまり機能しなかったんですね。なので、時代と人の変化を鑑みたときに、SPHが持つ”価値=考え方”自体を考え直す必要があるのかもしれないかなと思います。
で、もしイクオリティという価値を大事にするのであれば、それを機能させる環境を再構築していかなければいけないし、一方で新しい価値を生み出すのであれば、それ相応の知識が必要ですし、それを団体の文化として浸透させていくエネルギーや、チームとしての結束力も重要になってくると思うので、とくに今の幹部は苦労するのかなと思いますね。」
ー 人の流れが流動的なサークルだからこその悩みですよね。最後の1期生メンバーが抜けた後のSPHの進化を楽しみにしてます!
さて、インタビューも終盤に近づいてきましたので、最後の質問をお二人にお聞きしたいと思います。SPH(あるいは大学生アイドル)の存在意義についてお聞かせください。
まりりん「私自身アニメがきっかけでスクールアイドルに憧れを持っていたように、同じように大学生でもアイドルをやってみたいって思っている人たちってたくさんいるんじゃないかなって思うんです。だから、それを表現する場としてアイドルサークルが存在しているのは素晴らしいことだと考えています。ただ、そういった表現する場が、内輪な活動にならないように気をつけなければいけないな、とは思います。外部を意識しない内輪的な活動をしてしまうと、自分たちだけが『楽しかったね、よかったね』という自己満足のみで完結して、パフォーマンスの向上を妨げになってしまう。そうなってしまうと大学生アイドルというものが閉鎖的な空間になってし衰退していくと思うんです。
だから、私自身もSPHでの活動が内輪的にならないように、お客さんの立場で考えて自分たちに出来ることは何か、ということを追求して行きたいと思っています。」
はらちゃん「SPHには内向きな意義と外向きな意義がそれぞれあると思っていて、1つは彼女も言っていたように、アイドルコピーダンスをやってみたい!と思っている子たちに対して、それを表現できる、挑戦できる場所を提供できていること自体に存在意義があると思っています。これが内向きな意義ですね。2つめは、SPHが社会に向けて発信できるメッセージがあるということです。先ほどお話したように、SPHには、存在そのものを否定され続けたある種絶望的な状況から、それでもめげずに活動してきて、世の中に少しずつ認められるようになっていったストーリーがあると思っていて。本気でやっているのに、ちゃんと評価されず、理解してもらえない状況を経験してきた私たちだからこそ、もし人が本気でやっているのであれば、それをちゃんと評価してあげるべきじゃないか、偏見を持たない社会にしていこうよ!、ということを強く社会に発信できるのはSPHだからこそではないかなと思っています。」
ー辛い事も含め、様々な経験を重ねてきたSPHさんだからこそ伝えられること、すばらしいです。まだ見ぬ未来のSPHメンバーにも、皆さんの大切にされている想いが継承されていくことを強く願います。SPHさんの今後の活躍が楽しみです!本日はどうもありがとうございました!
まりりん・はらちゃん「ありがとうございました!」
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